あなたはどこで散髪しますか？理容室（バーバー、床屋、散髪屋）？それとも、メンズ美容室？

散髪で失敗したくないあなたのために、現役理容師が理容室とメンズ美容室の違いからあなたに合ったお店の選び方・探し方まで紹介します。

メンズ美容室とは？

メンズ美容室とはいったい何なのでしょうか？実は、その定義ははっきりとしていません。

「メンズ歓迎の美容室」や「メンズに特化した美容室」、「メンズカットが可能な美容室」などの総称として使われています。

メンズ美容室と理容室（バーバー）の違いは？

メンズ美容室と理容室、一体何が違うのでしょう。

1）業務範囲と定義が違う

美容室は「美容師法」、理容室は「理容師法」により、業務範囲や定義を定められています。

■ 美容・・・美容とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。　（美容師法第2条1項）

■ 理容・・・理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。　（理容師法第1条2項）

2）施術者に必要な資格が違う

美容室は美容師免許を取得した「美容師」が、理容室は理容師免許を取得した「理容師」が施術を行います。

「美容室＝女性が行くもの」「理容室＝男性が行くもの」というイメージを持っている方が多くいます。

そのイメージが定着したのは、一説には昭和53年に出された厚生労働省の通達で
・美容室＝男性のカットのみはできない
・理容室＝女性のパーマはできない
と美容室と理容室の施術範囲が区別されていたからだとされています。

しかし、時代の移り変わりとともに美容室を利用する男性が増え、平成27年に出された新しい通達により上記は撤廃されました。

現在は『美容師と理容師の施術範囲はほぼ同じ』となっています。

唯一の違いは、理容師だけが【シェービング（顔そり）】できるという点です。
（※美容師にもメイクに付随した軽い程度の顔そりは認められています。）
参考：理容師法の運用に関する件 / 各都道府県知事あて厚生省公衆衛生局長通達

メンズ美容室と理容室（バーバー）の特長

どちらもメンズカット（男性のヘアカット）に特化しています。得意な分野を見ていきましょう。

メンズ美容室（美容師）：長めの柔らかいスタイルが得意

美容師は感性でカットし、お客様の悩みや希望に合わせて髪型を仕上げていきます。

刈り上げ無しのミディアム～ロングの長めの柔らかいスタイルが得意です。

理容室（理容師）：ショートのかっちりしたスタイルが得意

理容師は免許取得時にカット技術の試験があるため、一人ひとりの技術水準が高く、出来上がりに差がつきにくいといえます。

フェードやツーブロックなどの刈り上げるスタイルや、ベリーショート～ショートのかっちりしたスタイルが得意です。

※詳しく知りたい方はこちらもどうぞ
「美容室」と「理容室」、どちらを選ぶべきなのか？

《目的別》メンズ美容室と理容室（バーバー）の選び方

ここまで、メンズ美容室と理容室（バーバー）の違いや特徴について説明してきました。

続いて、どちらに行けば良いのかとお悩みの方のために、目的別の選び方について紹介します。

Case1：パーマを当てたい

どちらでも大丈夫です。

しかし、美容師と理容師では資格や資格取得のための勉強内容が異なるため、それぞれ得意分野が異なります。

《学生時代に学ぶ内容》
■美容師
主に女性向きのカット方法や、髪全体にウェーブをかけたりゆるいウェーブをかけたパーマの技術など

【試験でチェックされる内容】
カッティング、ロッドを正しくキレイに巻けているかやウェーブの完成度など

■理容師
主に男性向けのカット方法やバリカンの使い方、小さなロッドでのパーマ技術など

【試験でチェックされる内容】
刈り上げやカッティング、「シェービング（顔そり）」の技術力など

上記を考慮すると、長めで柔らかな髪型にしたい場合は美容室を、男性的でスッキリとした髪型にしたい場合は理容室（バーバー） を利用すると良いでしょう。

Case2：ツーブロックにしたい・刈り上げをしてほしい

どちらでもかまいませんが、理容師は学生時代にバリカンの使い方について学んでいるため、バリカンを使った髪型については理容師の技術力があれば安心です。

また、美容室でもメンズに特化している店ならば安心でしょう。

Case3：髭剃りをしてほしい

髭剃り（シェービング）をメインとした施術は理容師にしか認められていないため、理容室を利用すると良いでしょう。

Case4：女性と同じ空間でカットするのは気恥ずかしい・男性が多い方が気を使わない

一般的な美容室は女性客が多いため、男性客をメインとした「メンズ美容室」を選びましょう。

理容室（バーバー）は昔から男性のカットをメインに行っており、女性客のいないお店がほとんどのため、女性客や女性スタッフが苦手な方にはおすすめです。

Case5：髪型やセットの相談にのってほしい

美容室でも理容室（バーバー）でも大丈夫です。

悩み事や相談事がある場合は、お気軽にスタッフにお尋ねください。

自分に合ったお店なの？7つのチェックポイント

続いて、自分に合ったお店かどうかが分かる、7つの【チェックポイント】について紹介します。

複数の方法をかけ合わせ、自分に合った店を見つけてくださいね。

（1）店のホームページをチェックする

インターネットを利用し、店のホームぺージをチェックすることは、私たちにとって一番身近な方法ですね。

ホームページでは、以下の内容をチェックし参考にすると良いでしょう。

・場所（アクセス）
・営業時間
・メニュー（施術内容）
・料金や支払い方法
・スタッフブログ
・仕上がりのイメージ写真　など

ホームページには店のこだわりがギュッと詰まっていますので、細かいところまでよくチェックして、自分の好みかどうかを判断してくださいね。

（2）スタイリング写真をチェックする

ホームページや広告などには、スタイリング写真が掲載されています。

「女性が多い」
「映っている人物の年代や属性が自分とは異なる」
などの場合、店側のメインターゲットとは違っているかもしれません。

残念ながら思ったような施術を受けられない可能性があるため、別の店を探しましょう。

スタイリング写真の好みはもちろん、映っている人物の年齢や属性なども店選びの判断基準となることを覚えておいてくださいね。

（3）メニュー内容をチェックする

「パーマをかけたい」
「カラーをしたい」
「髭剃りも一緒にしてほしい」
など、あなたの希望のメニューがあるかどうかを事前に確認することも大切です。

（4）料金や支払い方法をチェックする

希望のメニューが予算内で収まるか、追加の金額は発生しないかなど、メニュー内容と一緒に料金についても確認しておきましょう。

また、
・現金払いのみ
・特定のカードしか使えない
・現金が使えない
など、支払い方法は店によってさまざまですので、支払い方法も事前に確認しておくと安心です。

（5）店の雰囲気をチェックする

実際に店の前を通る機会があるのならば、一度中をのぞいてみると良いでしょう。

インテリアや内装、看板などにも、ホームページ同様店のこだわりが詰まっているので、あなたの希望や好みの雰囲気かどうかを判断する助けとなります。

スタイリストの得意なスタイルや好きなスタイルが分かるので、スタッフの服装や雰囲気も一緒にチェックしてみるのもオススメです。

（6）口コミをチェックする

最近は、さまざまなところで口コミを確認することができます。

全てを鵜呑みにする必要はありませんが、評価が高いか低いかは判断基準のひとつになります。

もし評価が低い場合は、どのようなポイントで低評価になっているのかなどを調べましょう。

またその口コミが公平かどうかを判断したり、自分にとってそのポイントが重要かどうかを考えながら判断すると、ハズレにくくなります。

（7）施術者との相性やヘアスタイルの満足度をチェックする

2回目以降行くかどうかは、施術者の相性やヘアスタイルへの満足度によって判断してください。

次回の予約を勧められる場合もあるかと思いますが、気が進まない場合は断ってもかまいません。
（ただし、髪の長さや前回のカットの仕方などにより、1回では希望の髪型にできず、2～3回かかる場合もあります。その場合、2回程度通ってみてから決めても良いかもしれません）。

「自分には合わない」と判断した場合は、上記の選び方を再度確認し、あなたに合う別の美容室や理容室（バーバー）を探してくださいね。

メンズ美容室や理容室（バーバー）の【探し方】

ここからは【探し方】についてお伝えします。

（1）インターネットを利用する

インターネットを使って探す場合、「キーワード」×「地名（駅名）」で探すと効果的です。

■「キーワード」×「地名（駅名）」の検索例
　・メンズ美容室　大阪市西区
　・バーバー　本町
　・フェードカット　梅田
　・メンズ　パーマ　なんば

※「キーワード」にはメンズ美容室や理容室だけでなく、希望のカット名やメニュー名、金額などを入れても良いでしょう。あなたにピッタリの探し方を見つけるため、色々と試してみてくださいね。

（2）歩きながら探す

通勤途中や外回り中、近所のランニングや散歩中など、実際に歩きながら探すことも効果的です。

店構えや看板・インテリアなどが好みのお店があれば店名を覚えておいて、後からインターネットで調べてみると良いでしょう。

（3）友人・知人などの口コミから探す

会社の同僚や友人など知人の中で、ヘアスタイルや服装の好みが似ていたり、「いいな」と思う人がいれば、どこで散髪しているか聞いてみても良いでしょう。

自分ではなかなか見つけることのできない、穴場の店を教えてくれるかもしれません。

（4）広告から探す

テレビや電車の中吊り広告、看板やインターネット広告など、世の中は色々な広告であふれています。

ほとんどの広告は気にも留めないと思いますが、もし気になる広告があれば、その店について調べてみてください。

ただしいつでも割引をしている店や割引率が非常に高い店に関しては、集客ができていなかったり、技術力が高くなかったりする可能性があります。カットに質を求める場合は、よく見極めるようにしてくださいね。